許せていないこと

ここ2年で世相は変わった。仕事は変わらない。研修期間のうち半分を流行病に支配され、旧時代のコミュニケーションは死んだ。

 

私のいる医療業界は典型的男社会で、学生の頃からまわりにはその流れに乗る人間しかおらず、家庭で甘やかされ、社会に甘やかされてきた者も多く、女学生への問いかけといえば彼氏はいるのか、可愛いねとか、あれとあれが穴兄弟だ、こいつとならいくらでヤレるか価格を提示してみろ、などの言葉を受けてきた。

だから同業者の男が苦手だ。

 

目指したから受かり、受かったからこそ今の仕事についているが、職場の人間を好きか嫌いかでいえば、嫌いに振り分けるか、あるいはそういう区分で分類すべきでないもの、という区分があればそこに入れるだろう。その時点でほとんど嫌いに近いかあるいは無関心になるのかも知らない。

仕事の人は仕事の人でしかない。だからこそ、なぜその程度の付き合いにしかならない人に、そのような、人間としての尊敬を死滅させ、乾燥させ、粉々に砕いて汚泥と混ぜ、腐敗物とぐちゃぐちゃ練り合わせたような質問を、ただそこにいただけの女の顔に入念に練り込むような行為をするのか私には理解ができない。

 

上記の理由から飲み会が嫌いだ。男と顔を突き合わせ、なぜ言わなくてはならない内容を口にし、面白がられる必要がある。向こうも私が参加しなければ、こんな面倒な思考を自分たちの世界に持ち込まられず、ぬるま湯で、カワイくて、自分たちの言葉に当たり障りなく返してくれる女の子に接待されて楽しいらしい。ご勝手に。

 

とにかく、飲み会にいい思い出のない私には生きやすい世界になった。飲み会はこのまま無くなれば良いし、職場の人間は職場の人としていてもらえれば良いし、私は勝手に己で幸せになる。