焦げ茶色

好きな色が変わってきた。
幼稚園の頃一番だったのは紫色で、理由は忘れた。
ただ窓の外を見ながら紫好きだなと考えていた。
私はそこそこに変な子供で、ポケットモンスターを知らない子供の世代がいつか生まれてくるんだろうとか、いくらをいくらと名付けた人は何を考えていたんだろうとか、そういうところがあったので、紫もその一貫だったのだろう。

中学生の頃は黒になった。中二病を患っていたことと、単純にかっこよかったからだ。
高校生になると小賢しく緑青になった。

今はといえば、焦げ茶色である。
一人暮らしが現実化し、インテリアを真剣に選ぶ必要が出て来て目につくのはこの色だった。
安心感があると言えばいいのか、あるいは……というより安い家具であっても焦げ茶色ならそこそこに高級感が出るから好きだ。あけすけにいえば。
焦げ茶色だけでは味気ないので、この際緑青と瑠璃を加える。イメージは茶室。
焦げ茶はいい。一瞬で部屋がおしゃれになる。理由はわからない。